⚫︎ 風邪を引いた話と素材仕入れの話
- atelier-yazd

- 4 日前
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浜松のイベントから戻った後、風邪を引いてしまいました。
最初は軽い喉の痛みだけだったのが、その夜には座って居られなくなり、その後、五日間は完全に布団から出られない日々を送りました。
ここ6、7年、まともに風邪を引いた事がなく、そのしんどさを覚えて無かったんですが、「思い出したわ!」と、布団の中で一人ごちておりました。本当はもう少し寝てた方が良かったんだと思いますが、愚にもつかぬ悪夢を見るわ、寝過ぎで腰が痛くなるわで、六日目には、えんやこらと起き上がりつつ、時に机に突っ伏しながら、材料発注や事務仕事やらを進め、調子が良い時を狙って、少しづつ小物製作や修理作業、諸々を進めて、気力と体力を回復させておりました。
月末になって、ようやく鞄製作が出来る体力が戻って来たので、今日は、革包丁を研ぎ、裁断の準備を進めております。
健康に普通の生活が送れる事がどんだけ有難い事なのかを噛み締めております。
「アホは風邪引かん」と自負してたんですが、ちょっとだけアホや無かったんかいなぁとか、しょうもない事も思ってます。
何はともあれ、季節の変わり目、皆さまも、くれぐれも本当に体調にはお気を付け下さい。
今回、机に突っ伏したり、寝床に居る間、時間が勿体無かったので、面白くて良い材料がないだろうか?と、ネットサーフィンをしつつ、「これや!」と、やや朦朧とした頭で、ポチポチしておりました。
普段は、老眼と眼精疲労が酷いので、ネットを長時間見る事は有りません。ですが、面白い材料が欲しい時、時々ですが、ネットの世界をさまよいます。
実物を見ていない、こういう買い物の仕方は、本当に博打です。
そんな博打仕入れをここ20年、勘を頼りにやってます。
自分の直感と運を信じつつ、ブツの到着を待ちます。
ハズレる事も勿論有るのですが、今回、厚地の良質なリネン麻生地をゲット出来ました。「洗える鞄」に出来るなあと、ワクワクしております。
軍モノ素材の限定一個のブツが、思ってる感じのヤツだと良いなあと思いつつ、手に入ったら、どう仕立てようかなぁと、明日の到着を待っています。
素材は私に取って、お宝です。
一点しか無いレアな素材は勿論ですが、安定供給される良質な素材も勿論大事です。
昨年まで入手出来た定番だった素材が、会社の廃業や倒産で、入手出来ないという状況が急増しています。
先週、長年使っていた特殊な金具を久々に発注した所、その工場は廃業してしまったとの事で愕然としました。
もっと早くにロットで購入しとけば良かったと、大後悔しましたが、時既に遅しです。
うちで長年作っていた、とある小さな商品がもう作れなくなってしまいました。余りのショックに、その日、熱が上がってしまったほどです。
そういう事例が有りすぎて、愕然とするばかりです。
コンスタントに購入して、工場を応援する事が大事!ということは分かっています。しかし、残念ながら、一人でやってる鞄屋の仕入れ額や数は、たかが知れております。
特に小さな金具は、ロットで1000個、2000個の世界なので、次の発注は早くて3年後、下手すると、5年後の発注になります。
その間に金具や生地を製造する側の事情が変わってしまっているのです。
世の中は変わる、そりゃそうです。
先日、三年ぶりくらいで発注した大阪の金具屋さんからご連絡を頂き、「値段上がってて、ビックリしはったでしょう?時間も待って頂かないとアカンし!」と、親切に言って頂きました。
いやもうその気遣いだけで十分に有り難いんですが、値段が上がっても、時間を待っても、まだ供給して頂けるんなら、無茶苦茶有り難いです!と返しました。本当にその通りなんです。
素材にこだわり続ける事はキリが有りません。
高額過ぎる状態になってしまっては、流石に手は出せなくなりますが、ギリギリのせんまでは、こだわって集めたいと思っています。
自分が手に取って、これは良い!と思われる素材をぎっしり詰め込んだ商品を作りたいと思うのです。
同じ力と時間をかけるなら、そうしたいんです。
鞄バカ(このご時世にこの表現を使って良いのか分かりません)だと、自分で自負する以上は、これを曲げたらアカンなあと思うのです。
病み上がりの癖に長々と失礼しました。
ほんとに皆さま、風邪にはお気をつけて。
田んぼの横の梅の木が花を咲かせ始めました。
どうぞ良い春をお迎え下さい。
オーダーでお作りした、ヌメ鹿革(チョコ色)の二つ折り財布の「小財布さん」。もっちりした手触りの鹿革を存分に楽しんで頂けます。

内側には、ポップな柄の正絹の帯生地を使った札入れとヌメ馬革のカード段が4つ。
胴裏生地には、綿とナイロン混紡の生地を塩縮加工したグランジ64クロスを仕様しています。
軽くて丈夫なこの生地が遂に廃盤なってしまいました。
またもショックです。

お札入れ。

口元のファスナーポケットは、まち付きの小銭入れです。

背面には、ファスナーポケットがもう一つ。

体調不良の間に、オーダー鞄用のベルトテープを染色しておりました。
綿100%の極厚スギ織の生機テープを2日間、水に浸けて洗濯をし、糊を落としていきます。こちらは、糊落としが済んだテープです。

綿テープを鍋で熱を入れつつ、染色していきます。
鍋に、黒とカーキの2色の染色剤を混ぜ合わせた染色液と塩と水を入れ温めます。染まりにくいテープなので、通常の倍の濃さの染色液を使います。

生機テープを入れて、小一時間ほど、低温管理で染色していきます。
こまめに上下を入れ替えつつ、ぐるぐると混ぜながら、染めムラが出来ない様にします。
織りがかなり密なので、なかなか芯まで色が入りにくいテープなのですが、熱を加え続けて染色する事で、染料が中まで入ってくれる事が、長年の経験で分かって来ました。
この後、一度しっかりと洗いを掛けてから、色止め処理剤で色留めをします。

色留め剤を洗い落とした後、日陰干しをして、出来上がりです。
照明の加減で分かり難いですが、染めムラ無くエエ感じに仕上がりました。
一見すると黒なんですが、鞄になってから、日光に当たって日焼けしたり、当たりが出て来ると、カーキ色が現れて来ます。
真っ黒よりも味が出るんですね。
市販のもので、綿100%素材の極厚織の濃色のテープが見つからない為、ここ10年、自分で染めています。
最初はムラだらけで下手くそでしたが、最近はコツを掴んで来ました!




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