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執筆者の写真atelier-yazd

●大丸神戸店さまでのイベント&オイルドコットンの鞄

来週から、大丸神戸店さまでの「日本のものあわせ」に出展させて頂きます。

この時期には恒例となっている神戸、そして、年内最後の出展イベントとなります。そこに向けて、ただ今、商品製作のラストスパートに掛かっております。


今日仕上がった鞄たちについて、少しご紹介を。

神戸に向けて、久しぶりに「袈裟ショルダーSサイズ(布ベルトタイプ)」を製作しました。

定番商品では有るのですが、メインに使用していた生地が廃盤となってしまった事もあり、一旦製作を止めておりました。


袈裟ショルダーは、ヤズドの子にしては、珍しく重量が軽めの鞄です。

後の写真に載せている通り、メイン素材が生地なので、他の革鞄に比べると、かなり軽く仕上がるのです。

この鞄は、生地が要のデザインとなっています。

今回、スポット的に手に入れた特別な生地で製作をしてみたところ、これが、とても良い雰囲気に上がってくれまして、かなり好みの鞄となってくれたんです。


写真を撮るのが下手なので、仕上がった商品の写真をいつも撮り損ねるのですが、「これは撮っておけ!」と脳から指令が来たので、パチリパチリと撮りました。

工房内が暗いので、素材の良さが半減してはいるんですが、本当に良い感じなのです。


使用したのは、イギリスの老舗生地メーカーのBritish Millerain社のオイルドコットン生地です。

ブリティッシュ・ミラレーン社は、古く長い歴史の有る、イギリスの生地メーカーで、特にこのオイルドコットン生地が有名なのです。


今は、あらゆる技術が向上しているので、撥水加工をした生地というのは、珍しくありません。防水スプレーなどが有るので、手軽に撥水効果を衣類や鞄に与える事が出来ます。

ですが、昔はその撥水加工を行う手段として、高密度に織り上げた生地に魚の油を染み込ませるという、原始的手法を取っていたそうです。

歴史を経ていく中で、オイルに改良を加え、ワックスなども混ぜ込んで、この伝統的な手法を今に受け継いだ生地を製作しているのが、このブリティッシュミラレーン社の生地なんです。


今年の夏に手に入れたこの生地。

暑い時期に手にしたときには、「何とオイリーな…」と正直、びっくりしました。下手すると、クレームになるくらいのオイリーさ。これは商品に向いてるのかなぁ?と思いつつ、少し寝かせておりました。

秋を迎えたこのタイミングで机に広げてみたところ、「こいつは良い♫」と脳から聞こえたので、早速裁断を。

両面テープ、ボンドなどは、全く使えず、ほぼ、手掛けによる製作作業でしたが、出来上がるに従って、テンションが上がりました。

こんなにも、平面で見た時と、立体になった時の差が激しい生地は初めてです。無骨さが、格好良いんです。

口で何を言っても、私の撮った酷い写真が有ったとしても、正直、伝わりません。

本当に好みは分かれる生地だと思いますが、私は大好きです。

実際の経年変化を見れてはいないのですが、この生地は、あたりが出て来た時が、また格好良くなるんだと思います。


生地好きの方には、有名なこの生地ですが、私は不勉強な為、今回、初めて知った次第です。生きてるとまだまだ良いものに出逢えるんだなぁと嬉しくなった事もあり、思わず書いてしまいました。


今回の大丸神戸店さまには、クロとカーキの2色、各一点ずつの一点ものでお持ち致します。各色、残り2点のオーダーをお聞き出来るくらいの在庫しかありませんが、ご興味のある方は是非、実物を見て、触ってみて欲しいのです。

本当に、味のある面白い素材です。



「日本のものあわせ」

10/28(水)〜11/3(火)

大丸神戸店7階イベントスペース

10:00〜20:00


オイルドコットンの袈裟ショルダーS 。付属革は、ヌメ馬革です。



後ろ側には大きなポケットが




実は、ショルダーベルト内にもポケットがついてます





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