● 個展作品、少しずつ仕上がっております
今日の明け方、山から獣たちと思われる、もの凄い奇声で起こされました。
姿は見えなかったので、何者なのかは分かりませんが、強烈に怒ってる声でしたので、獲物かテリトリーを争っての喧嘩だと思われます。
折角、ちゃんと眠れる日だったのに。
まだ早かったので、二度寝したら、奇声が頭に残っていたのか?悪夢を見ました。
獣たちめ。
来月の個展に向けての作品がちょこちょこと上がっております。
鹿革の鞄をざっとご紹介します。
大きめの鹿革一枚分を丸々使ったトートバッグ「柔らかな四角トート」。
そして、先月の東京イベントで初登場した「二代目ストマックン」。
良い顔で上がりました。どっちも、ほんまに自分が使いたいです。
ヌメ鹿革が大好きです。
5年ほど前まではよく使っていた大好きな素材の鹿革。
本当に良い鹿革だったのですが、この革を作っていた東京のタンナーさんが廃業されて、そこから色々と探したものの、これと思う鹿革が見つからず、フランス製カーフ革に移行しておりました。
先月、久々に大阪の革屋さんに仕入れに伺った際、目当ての革を見た後に、以前から置いておられたヌメ鹿革の棚をふと見ました。
前に見た時は厚みが足りないなあと思って断念していた革でしたが、今回、ちょろっと見えていた濃茶の革に厚みがしっかり有る事に気付きました。
すかさず見せて頂くと、かなりの厚み。良き質感。
予算オーバーでしたが、大小2枚の革を購入してまいりました。
鹿革のなにが良いかというと。
◻とにかく質感。柔らかさが良い。使えば使うほど、身体に馴染む。
◻銀面(表面)は柔らかさゆえに傷もつきやすいけれど、革自体が持っている繊維が強い。
◻水濡れに強い
★ご注意
染色無しのナチュラルの場合、どうしても水ジミにはなりますのでこの点はご注意を。
私自身は雨染みをむっちゃ付けてます。
4、5年使った鹿革の修理品と、自分が使っている鹿革商品を見ていくと分かった事が有りまして。
鹿革の表面の一皮分はどうしても擦れて取れてしまうんですが、一皮剥けて現れるその下の組織が強いので、そこが摩擦で擦れて、また表面となってくれる印象なんです。
そして、水に濡れても復元力が強いんです。
突然の豪雨なんかで革鞄がずぶ濡れになってしまう事が有ります。
その時にヌメ牛革等は、乾き切る前にオイルなどを入れつつメンテナンスしてあげなくていけません。
鹿革は、うっかりと乾かし切ってしまったとして、一時的に固くなる事は有っても、揉み込んであげると、また柔らかく復元するんです。
多分、組織がスポンジの様に空気を含む構造になっているからだと思います。
なので、そこにオイルなんかをがっつり入れると、またしっとりした質感に復活して、そこからまた長く持てる感じです。
とにかく、鹿革は、どの革とも違う組織が強みの革です。
潜在能力が高い革だと思ってます。
個人的に好き過ぎる革なので説明が長くなってしまいました。
今回は、2点鞄が出来上がっております。
一点は、革一枚を丸ごと使い切った大きめのトートバッグ「柔らかな四角トート」です。
いつもはクードゥー革で作っている鞄ですが、今回初めて鹿革で作りました。
とにかく、全体に身体に沿ってくれる柔らかさが気持ち良いです。
そして、大きさの割に軽いのも魅力です。
もう一点は、先月の東京イベントで初登場した「二代目ストマックン」です。
胃袋イメージとしては、ナチュラル色なのですが。
焦茶色は全く違う印象です。更に付属革をブラックにしたので、カッコ良い感じです。
いやー、これは自分が今使いたいです。
こちらのヌメ鹿革は、仕入れた革屋さんの定番ではありますが、入って来る原皮によって厚み等はその都度違う感じです。ですので、セミオーダーでのご注文は受け難い商品ですので、今回は一点モノでのご紹介となります。
ただ、こちらの鹿革製品は私自身で使用してみたことが無いので、どのように経年変化するかは、正直まだ分かりません。
ご購入頂いた後、何か有りましたら、どのような形でもご対応します。
ですが、本当に良い商品に仕上がっておりますので、是非とも手に取って頂きたいです!
次回は、入手できたクードゥー革の新型をご披露出来ればと思っております。
無謀にも本日から型紙を引いています(汗)
「アトリエヤズドの鞄たち」
『apina』
大阪市西区九条南2-16-36
10/9(月)〜10/15(日)
12:00〜19:00
⭐︎期間中は休み無しです
⭐︎終日在廊いたします
⭐︎期間中、Hitsuji-Do さんの焼き菓子が届きます♪
★apina さんHP☞http://apina.boo.jp
★apinaさんInstagram☞https://www.instagram.com/apina1636
★Hitsuji-DoさんInstagram☞https://instagram.com/cuisine_100100
「柔らかな四角トート」
とにかく、身体馴染みが良いです。そして、ハンドルが内縫仕様で肩が楽です。
大きなトートなのですが、鹿革なので、クードゥー革よりも軽く上がっています。
男性は勿論ですが、女性が持っても本当にかっこいいです。
私は初期のサンプルを愛用しています。
「二代目ストマックン」
食道をイメージしている肩ベルトがとにかく楽です。
丁度、iPad miniが入る程良い大きさなので、本当に私が使いたい!
「出掛けたくなるバケツショルダー」も出来上がりました!
鹿革です。蛍光灯なので、シボ感も色もわかりにくいですね。
実は一番大変な「ストマックン」の食道部分のひっくり返し作業。
今回も最後の最後でウンウン唸っておりました。
ひっくり返ったー!「シェ〜!」のポーズ!
裁断後の風景。鹿革の裏面にふのりを塗ってしっかりと乾かします。
鹿革を扱う際は、この工程を入れないと、漉き作業(刃物の付いた機械で縫う箇所の革裏面を薄くする作業)の際に、鹿革の裏面の組織が漉き機の刃に持っていかれてしまい、穴が開くこともしばしば。
昔はそれが分からず、貴重な鹿革を何枚も駄目にしました。
試行錯誤してやっと辿り着いた方法です。失敗から学ぶ事は多いです。
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